2018/02/26
営業スタッフに「上司へ報告しよう」と思わせる方法
UPWARD株式会社 営業部セールスマネージャー 柴田 尚美

最前線の営業現場の様子がよくわからない。かといって、営業スタッフによる社内への報告をより強化しようとすると、スタッフの業務効率やモチベーションを低下させてしまう──。多くの企業が、こんなジレンマに悩んでいる。そんななか、「現場のスタッフが自らすすんで社内に情報を共有しようとする方法がある」と語るのは、東証一部上場企業を含む200社以上の営業部門強化を支援してきたUPWARDの営業部セールスマネージャー、柴田氏だ。営業スタッフの業務効率とモチベーションを高めながら現場の状況を可視化し、営業部門を強化する方法について、同氏に聞いた。
重大な情報が上がってこない
── 上から強制することなく営業スタッフに現場の情報をシェアさせて、営業活動を可視化する手立てはありますか。
はい、あります。営業スタッフが「情報をシェアすることで、自分自身の営業活動がやりやすくなる」と実感できるような仕組みを取り入れることです。
たとえばルートセールスをやっている企業でいうと、個々の営業スタッフの担当エリアにどんな属性の顧客がいるのか一覧でわかるようにする。「最近、訪問していないが、ウチの商品HPに複数回アクセスがあった」といった属性です。「よし、今日、なにか理由を見つけて訪問しよう」という行動につながりますし、訪問した結果による属性の変更を入力して、「情報を更新しておこう」という気になります。
また、社内SNSのようなツールを使って、リアルタイムに近い形で報告させることも考えられます。「スマートフォンに訪問内容をメモして、帰社してからそれをもとに日報を書く」といった手間が省けるほか、その場でアドバイスがもらえるメリットがあります。たとえば若手スタッフが「お客さまから値引きを要請された」と発信すると、ベテラン営業がすかさず「それは、『○○という理由でできません』といえば大丈夫」といったアドバイスを返すわけです。
たとえばルートセールスをやっている企業でいうと、個々の営業スタッフの担当エリアにどんな属性の顧客がいるのか一覧でわかるようにする。「最近、訪問していないが、ウチの商品HPに複数回アクセスがあった」といった属性です。「よし、今日、なにか理由を見つけて訪問しよう」という行動につながりますし、訪問した結果による属性の変更を入力して、「情報を更新しておこう」という気になります。
また、社内SNSのようなツールを使って、リアルタイムに近い形で報告させることも考えられます。「スマートフォンに訪問内容をメモして、帰社してからそれをもとに日報を書く」といった手間が省けるほか、その場でアドバイスがもらえるメリットがあります。たとえば若手スタッフが「お客さまから値引きを要請された」と発信すると、ベテラン営業がすかさず「それは、『○○という理由でできません』といえば大丈夫」といったアドバイスを返すわけです。
── なるほど。そうした仕組みを構築できる営業支援ツールを導入すればいいわけですね。どんなツールを選べばよいか、ポイントを教えてください。
2点、大事なことがあります。1つは、現場のスタッフが使い慣れているインターフェイスであること。たとえば、「担当している顧客の数が200社とか300社あって、それを1ヵ月の間に回り切らなければいけない」というケース。「訪問先の属性が一覧できるツール」といっても、エクセルのような形で一覧表になっているのと、Googleマップ上にピンが立っていて一覧できるのとでは、後者のほうが圧倒的に使い勝手がいいでしょう。
そして2点目は、信頼性の高いCRMと連携していることです。地図と連携したSFAツールはいくつかありますが、訪問先の属性情報を更新したり、統計情報を抽出したりするのに複雑な作業を要するものも多い。それはベースとなる顧客情報の管理システムがたとえばエクセルだったりして、複雑な操作が難しいからです。
その点、私たちが提供している営業支援ツール『UPWARD』はGoogleマップと連携し、ベースとなるCRMは世界15万社以上が活用している『Salesforce』です。
そして2点目は、信頼性の高いCRMと連携していることです。地図と連携したSFAツールはいくつかありますが、訪問先の属性情報を更新したり、統計情報を抽出したりするのに複雑な作業を要するものも多い。それはベースとなる顧客情報の管理システムがたとえばエクセルだったりして、複雑な操作が難しいからです。
その点、私たちが提供している営業支援ツール『UPWARD』はGoogleマップと連携し、ベースとなるCRMは世界15万社以上が活用している『Salesforce』です。

ゲーム性を取り入れて士気向上
── 導入して成果があった具体例を聞かせてください。
ダイハツ工業様の例があります。いま、若年人口の減少とライフスタイルの変化によって、国内における個人向けの自動車市場は頭打ち。自動車メーカー各社が法人需要の開拓に注力しているなかで、ダイハツ工業様は医療介護分野で独自の市場を切り拓き、一歩先んじることができています。その背景に、法人営業部門の強化がありました。
ひとりのスタッフが1日に20~30件、新規開拓とルートセールスを兼ねて訪問するのに際して、その計画の作成と最適なルート選定に『UPWARD』を活用してもらっています。訪問先の候補の所在地をGoogleマップにプロットしてスマートフォン上に表示。ピンを選択すれば、その顧客の情報を即座に参照できるようになっています。
さらに “訪問済み” “接触済み” “商談あり” “受注済み”といった各顧客の現在のステータスが、ピンの色で示されています。訪問した成果を入力すれば色が変わるように設定されています。自分自身の営業活動の成果があがっていることを、色を塗り替えていくことで確認できる。ゲーミフィケーションの要素があり、営業スタッフのモチベーションの向上につなげていただいています。
ひとりのスタッフが1日に20~30件、新規開拓とルートセールスを兼ねて訪問するのに際して、その計画の作成と最適なルート選定に『UPWARD』を活用してもらっています。訪問先の候補の所在地をGoogleマップにプロットしてスマートフォン上に表示。ピンを選択すれば、その顧客の情報を即座に参照できるようになっています。
さらに “訪問済み” “接触済み” “商談あり” “受注済み”といった各顧客の現在のステータスが、ピンの色で示されています。訪問した成果を入力すれば色が変わるように設定されています。自分自身の営業活動の成果があがっていることを、色を塗り替えていくことで確認できる。ゲーミフィケーションの要素があり、営業スタッフのモチベーションの向上につなげていただいています。
── 情報共有の面で成果があった事例はありますか。
はい。『MINTIA(ミンティア)』などアサヒグループの飲料・食品の販売促進を事業とするアサヒフィールドマーケティング様の例です。ラウンダーと呼ばれる店舗巡回スタッフが、量販店やドラッグストアなどの現場を回り、自グループの商品の販促活動をしています。
そして、現場を回って得た情報を、『UPWARD』を活用して、それぞれの商品の営業担当者へ共有。商品の陳列状況や売れ行き、「店長がこんなことを言っていた」などの情報をすばやく営業担当者が把握できています。また、小売店の側からすれば、販促活動の担当者も営業の担当者も、同じように見ています。「こないだ来た人に言ったはずなんだけど」といったズレが生じるのを防ぐ効果もあります。
そして、現場を回って得た情報を、『UPWARD』を活用して、それぞれの商品の営業担当者へ共有。商品の陳列状況や売れ行き、「店長がこんなことを言っていた」などの情報をすばやく営業担当者が把握できています。また、小売店の側からすれば、販促活動の担当者も営業の担当者も、同じように見ています。「こないだ来た人に言ったはずなんだけど」といったズレが生じるのを防ぐ効果もあります。
報告のための作業時間が3分の1に
── 最前線の営業スタッフの評価はどうでしょう。
アンケートなどで「報告のための作業時間が3分の1程度に減った」「ほかの営業がもうアタック済みの会社を事前に調べておけるので、バッティングが起きなくなった」「近いところから効率的に回れるようになり、訪問件数が伸びた」といった声があがっていますね。
── 「営業活動を改善し、成長を加速させたい」と考えている経営者・営業責任者にアドバイスをください。
現場の営業スタッフがメリットを実感できるような改革を進めてほしいですね。「競合他社がやっているから」といった理由で、やみくもに大きな投資をして改革しようとする例も散見されますが、現場が変わらなければ営業は変わりません。
営業は孤独な戦いです。なかなか成約にいたらないケースもありますし、門前払いを食うこともあります。そんな営業スタッフの心情をくみとる形で改革を進めるべきです。営業スタッフが「自分自身の仕事がより効率的になり、より高い成果を出せるようになる」と確信できるツールを選んで、組織で戦える営業体制を構築してほしいですね。
営業は孤独な戦いです。なかなか成約にいたらないケースもありますし、門前払いを食うこともあります。そんな営業スタッフの心情をくみとる形で改革を進めるべきです。営業スタッフが「自分自身の仕事がより効率的になり、より高い成果を出せるようになる」と確信できるツールを選んで、組織で戦える営業体制を構築してほしいですね。